++恋愛進化論〜僕と君との関係定義その1〜++ …アレンさま直後に死にますねコレ。確実に六幻の錆です(笑)
…気づいた時にはもう、訳も分からず大分手遅れな所まで来てしまっていたんだと思う。
今更きっかけはどうとか、何が引き金だったかなんて、そんな事覚えちゃいません。
それはきっと、お互い同じように思ってるに違いないけれど…。
兎に角、何時の間にか…そう、本当に『何時の間にか』という言葉がぴったりな程、
気が付いたら彼の人を、この腕に抱いていた訳で。
時々組み敷いた身体の上でふと我に返って見ると、同じ性であるのに柔らかい肌だな、とか
濡れた唇が色っぽいな、とか。彼を抱けば抱くほど、知らなかった新たな一面を垣間見る度に
僕はどんどん戻れなくなっていました。と言っても、今の状態が嫌な訳じゃ決してありません。
むしろこの関係を辞めるか、と問われれば間違いなく答えは「NO」。
一体なんで今更こんな事を考えるかと言うと…。
原因は今、目の前で僕を、半ば本気で葬り去ろうとしかねない雰囲気の人物。
ようは僕と関係している張本人、神田ユウ、日本人。3つ年上でキレやすい、華の18歳(男子)。
葬り去るったって、立たない腰じゃあ何も出来ないでしょうって、言ったら確実に亡き者にされるので
賢い僕はそんな失言致しません。正直命は惜しいです。って、そうじゃなくて。つまりその…
…そうつまり、事後、な訳です。
で、今彼の怒りの矛先は間違いなく目の前の僕で、その根本的原因と言えばまさに。
つい先ほどまでの行為で、彼の腰が立たなくなるほどヤってしまった事にあるらしい。
相当お冠なご様子で、今尚起き上がる事も出来ずにベッドに突っ伏したままであるというのに、
ソレだけで相当な殺傷能力がありそうな視線だけをコチラに向けている。怖いなぁ…。
うーん、蛇に睨まれた蛙の心境ってこんな感じですか?
そんな僕はと言えば、終了早々にベッドから蹴落とされたせいで下着一枚、ほぼ裸。
そのまま彼の視線の下に、大嫌いな正座をさせられていて。
あの、これってもしかしなくとも、かなり情けなくないですか…?
「…せめてベッドの上で、ピロートークだったら大歓迎なんですけど…」
「まだ言うか。黙れ変態絶倫クソモヤシ」
「……はぁ…」
「毎度毎度、お前はよくもまぁ同じ事を繰り返すよなぁ。学習能力って言葉、知ってるか?」
「それ、君にだけは言われたくな…」
「何か?」
「いえ何も…」
「だいたいなぁ、俺は明日から任務だって、言ったよなぁ?」
「…言い…ましたね…」
「で、そこまで理解しておきながらこの有様は一体どういう了見だ?あぁ?」
「…ご、ごめんなさい…?」
「ごめんで済みゃあナントカはいらねぇって、言うよな」
「…僕、英国人なんでそういうのはちょっと…」
「言うんだよ、俺の故郷(くに)では」
腰が立たなくなるほど、というのは今日が初めてではないにせよ、明日彼が任務だったというのが運のツキ。
こんな調子で、さっきから僕はDead or Alive。
とりあえず一応貴重なエクソシストなんで、息の根を止めるのは勘弁、なんてちょっと本気で感じてみたり。
あぁ、僕に明日はあるのかな…。
「大体、そんなにヤりたきゃ他を当たれよ」
「…それは無理です」
「何故だ。簡潔に述べよ」
「それは…兎に角嫌です」
「ふざけんな。街に下りりゃ抱く奴等なんざいくらでもいるだろ。それとも何か?お前は真性のホモか」
「それは無いです。男娼相手に勃ちませんし…それに僕だって女の人を好きになった事…」
「じゃあ何故俺なんだ。俺は男だ。例え、仮に、一見、女と間違われる事があろうとも、俺は男だ」
「そんな強調しなくとも…重々良く知ってます。胸も無いし、下にその、アレもあるし…」
「…じゃあ何故俺か」
「それは分かりません」
「一遍死ぬか?」
「謹んで、ご遠慮します…」
「いい度胸だなおい。兎に角、毎度コレじゃあ身がもたねぇんだよ。どーにかしろ」
「どうにか、と言われても…だって、神田だって最中は良さそうにしてるじゃないですか。
嫌よ嫌よも好きのウチ、って…あれ、神田顔、赤いですよ…?」
「…っ…うるさい!!知らんそんな事!!!」
「あぁほら、またそんな顔をするから…」
「…っ、黙れ!し、質問を変える!俺は、お前の何だ…?」
「何って…とりあえず、愛を語らう仲になりたいなぁとは思ってます」
あぁ、また地雷でも踏んだようです。今にも斬りかかられそうな勢いですけど、僕は本気です。
だって、本当に神田じゃなきゃ嫌なんですよ僕。他の人を抱くなんて考えられなくなっちゃったんです。
どうしてかなぁ…って、あぁそうそう思い出しました。最初に彼を意識したのは任務先ででした。
傷ついて瀕死の君を見た時ですよ。ちょっと非常識ですけど、苦しげな表情が色っぽいなぁ…って。
ビビビッて来ちゃったんですよ。ほら、よく日本の衆道?っていうサムライの方でも言うでしょう?
返り血を浴びた血塗れの相手に欲情ーって…何て言うんでしたっけコレ。えっと…
「ブシドー?」
「んな訳あるか。沸いたお前の思考と大和魂一緒にすんなボケ!!」
「あれ、違いましたか…うーん…でも兎に角そんな感じで…」
「そんな感じで済むような相手にココまですんのかてめぇはよ」
「うー…だからその、あぁアレですアレ。多分、体から始まる恋?ってやつですかね?」
「は…?こ、い…?つーか俺に聞くな俺に」
「うん、そうですね。恋、です。恋しちゃいました。だから神田、好きです」
「自己完結をするな自己完結を。俺の話を聞け!」
目が点、ってまさに今の彼を言うんでしょうかね。
何だか唐突に告白しちゃいましたけどほら、結果論ですからコレ。僕ですし。ね。
そう思ったらほら、ほんのり赤く照れた顔も何だか愛しく感じてきちゃいますから。
震える拳を握り締める貴方も可愛いですね。そう、恋なんです。恋しちゃいました。
良いですねぇ恋。青春じゃないですか。若い僕らにぴったりだと思いませんか?
15歳と18歳、ピチピチじゃないですか。という訳で神田、これから僕との愛を育んで行きましょう。
そうと決まったら腰の痛みなんぞ愛のパワーで吹き飛ばしますよ。僕って結構一途ですから。
その点は心配無用です。ね?だから神田…
「…とりあえず、六幻は放しましょう」
「その1」とか付いてますけどこれだけです。続きません。続いたら血の惨劇ですから。マジで(笑)
っつーかコレを書いたのはほぼ1年前なんです…ほじくり出して来ました。
どーりでアレンのキャラが違うわーけだー…
キャラというか、二人のヒエラルキーが違いますねコレ(笑)
…とりあえず、ごめんなさい(土下座)(色々な意味で)